タングステン電極棒の研磨角度とアーク 溶接「虎の巻」ニュース Vol.5

こんにちは。溶接「虎の巻」ニュース第五回を始めます。

前回は、アークを集中させる話が、タングステン電極棒の話題にちょっと脱線して、セリタンをトリタンより十五度鈍角に研磨するとトリタンと同じアークが得られますってところまでお話しました。

★ここがポイント

溶接情報TIG編 その五

トリタンを30度で研磨して溶接していた人が、セリタンを使う場合には45度研磨すれば同じアークの広がりが得られるようになります。ということは、セリタンの方長持ちするってことですね。鉛筆をナイフで削ることを想像するとわかりやすいですよね。

また年代がばれるようなことを書きましたが、鈍角に研磨する方が、研磨量が少ないのです。ですから、セリタンを使われた方がコストダウンにはなります。

■タングステン電極棒の研磨角度とアークの関係

タングステン電極棒の話題の中で、研磨角度についても触れましたが、研磨角度が変わると、アークも変わるのです。
そして、この特徴を理解することがとっても大切なのです。

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研磨角度を鋭角:アークが拡散 研磨角度を鈍角:アークが集中

重要:タングステン電極棒の研磨方法

みなさんは、どのようにタングステン電極棒を研磨していますか?ベルトグランダーや、両頭グラインダー、ベビーグラインダーなんかで研磨されている方が多いのではないでしょうか。
実は、このような研磨方法には二つの大きな問題があるのです。

●問題その一

一つは、この場合では、研磨角度が正確にならないですよね。研磨角度が変わればアークが変わります。集中したアークを得るには、鋭角に研磨すれば・・・鋭角に研磨してはいけません。上の図に示すように、円錐鋭角に研磨するとアークは広がり溶け込みは浅くなります。円錐鈍角に研磨するとアークが集中し、溶け込みは深くなるのです。多くの作業者が集中したアークを求めて鋭角に研磨されるケースをたくさん見てきましたが、実は逆だったのですね。
溶接品質を確保するために作業指示書などで、溶接電流を明確に定められておりますが、タングステン電極棒の種類や、研磨角度を明確に定められているケースは少ないのです。
溶接の品質を確保するためには、専用のタングステン電極棒の研磨機が欠かせません。これは、一つには研磨角度を定めるために必要なのです。

●問題その二

ベルトグラインダー等での研磨にはもう一つ重大な問題があります。それは、「面粗度」と言って、研磨面の品質からも、ベルトグラインダー等で研磨してはいけないのです。研磨面はシャープで安定した滑らかな面粗度がないと高品質な溶接ができません。粒度の粗い研磨布や、グラインダー砥石で研磨するとアークがふらついて溶接ビードが蛇行したりアークスタートが悪くなったり、アークの這い上がりといった現象をおこしてしまします。次号でもう少し説明を加えていきますね。

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