アルミ溶接とタングステン電極棒 溶接「虎の巻」ニュース Vol.2

こんにちは。溶接「虎の巻」ニュースの第二回です。

こんなニュースレターを出しているのですが、実は私は文章を書くのが苦手なのです。昨夜二十数年ぶりに中学時代の卒業文集を懐かしく読み返してあふれる想いに涙していたところ、自分の文章も目に付きました。

なにを書いていたのかなって読み出したら顔から火が出るくらい恥ずかしくなりました。あー、やっぱりへたくそだな!穴があったら入りたいとはこのことです。穴はあいにくないので、布団にもぐって恥ずかしさとともにぐっすりねむったのでした・・合掌。

できるだけわかりやすくお伝えしますので、拙文お許しくださいね。
前回は、TIG溶接の簡単な原理から始まり、アルミ溶接の時にタングステン電極棒の消耗がはやいってところまでお話したんですよね。では早速本題に入ります。

★ ここがポイント

溶接情報TIG編 その二

アルミ溶接のときに電極の消耗を抑えるには

アルミ溶接の時にはタングステン電極棒の消耗の激しい理由は、電子がタングステンにぶつかるからなのです。

タングステン電極棒は基本的には消耗しにくいものなのですね。現に直流溶接のとき、つまり電極マイナスの時には消耗しにくいのです。電極がプラスになった時にクリーニング作用が働き、酸化皮膜が破壊されると前回説明しましたが、これは、電子の働きなのです。電子は電流の流れと反対方向に進む性質があります。この電子が母材側からタングステンにえいやってぶつかるから強く固いタングステンといえども消耗してしまうのですね。

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では、消耗しにくくする秘訣をお教えしましょう。きっと純タンやセリタンを薦めるのではないかって?ばれましたか・・・。そうです、セリタンを使用するのも方法のひとつですが、ここでは違った側面から電極棒を長持ちさせる方法をお伝えします。

溶接時に交流の周波数を変える

アルミは交流で溶接するとお伝えしました。
これは、一秒間に数十回電極がプラスになったり、マイナスになるということです。交流周波数(単位はヘルツ)は固定されていましたが、最近のTIG溶接機にこの交流周波数を可変できるものが出てきてるんですね。私も実験してみましたが、この交流周波数を150ヘルツ~200ヘルツ位まで上げると驚くほど電極棒が消耗しないポイントがあるのです。驚きました。

周波数を変えるにはデジタル溶接機

実際に古いサイリスタ制御のTIG溶接機よりインバータ制御の溶接機の方が交流周波数が高くなっているため、タングステン電極棒の耐久性が良いのです。交流周波数は、サイリスタ制御で50~60ヘルツ、インバーター制御で70ヘルツ位です。そして、今流行のデジタル溶接機では、ダイヘン製で200サイクルまで、松下製で400サイクルまで交流周波数を可変できますので、このようなタイプのデジタル溶接機を用いると、ぐんと電極棒の消耗を抑えられるスウィートスポット周波数を設定できます。

交流/直流モード

そして、もう一つ方法があります。
溶接機には直流モードと、交流モードの他に交流と直流を交互に出力するモードをもった溶接機があります。この交流/直流モードを使うとさらに電極棒の耐久性が向上します。これは、溶け込みを深くしたいときに使うモードなのですが、直流で出力している時間が存在するようになるため、この間は電子の攻撃を受けずに済むからなのですね。
デジタルTIG溶接機を用意すれば、交流周波数も、交流/直流交互モードも両方兼ね備えていますからアルミの溶接時に電極棒の消耗を抑えることが可能となりますよ。
もっとも、交流周波数を上げるのも、交流/直流モードも溶け込みを深く、アークを集中させるのを目的として誕生していますから、その効果のメリットも手に入ります。アークを集中させると、溶け込みが深くなります。これは厚板溶接のためにだけあるのではなく、薄板溶接のコストダウンにも繋がるのですね。次回はアークが集中すると溶接のコストダウンに繋がるってところをわかりやすくご説明します。

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