タングステン電極棒の種類 溶接「虎の巻」ニュース Vol.8
こんにちは。溶接「虎の巻」ニュース第八回の始まりです。
ところで、みなさんは展示会にご招待されたり、見学に行ったりしたことがおありだと思います。展示会とは、本来は、展示即売会のことですよね。戦後生活に必要なものが入手困難であった時代に、広場で鍋や釜を広げて必要なモノを供給する場として開催された「市=いち」がその始まりです。でも最近は展示会のあり方も見直しが必要だと感じております。マンネリだと思いませんか?
さて、前回はタングステン電極棒の先端管理の「虎の巻」テクニックや管理の重要性、そしてトリタンの放射性物質問題までご説明してきました。
★ここがポイント
溶接情報TIG編 その八
トリタンに代わる電極棒とは?
トリタンを使うのをひかえるとすると、代わりに何を使えばいいの?ってことになりますよね。ここで、現在国内で流通しているタングステン電極棒のそれぞれの特徴を整理しておきます。
- トリタン 放電特性が良好で直流溶接に多く使われる。アーク集中性良好。
- ランタン 放射性物質を含まない耐久性、アーク特性、安定性に優れる電極。
- セリタン 放射性物質を含まず、交流に使われることの多い電極棒。アークスタート良。
- 純タン 純度99%のタングステン電極棒。交流に使われていた。
純タンに添加物(トリウム、ランタナ、セリウム)を加えアークスタート性やアークの集中性を高めたものがトリタン、ランタン、セリタンです。
前にもお伝えしましたが、セリタンは、トリタンと同じアークの大きさを得るためには、トリタンより十五度鈍角に研磨する必要があります。つまり同じ角度では、アーク集中がトリタンより劣り、その分アークスタート性が良好なのです。十五度鈍角に研磨することにより、コストを下げることができます。
ランタンは、トリタンからの代替品という触れ込みで国内販売が始まりましたが、普及率が今一歩なのが現状です。しかし、タングステン電極棒の中でお奨めするのであれば、やはり「ランタン」です。低電流から高電流まで安定したアークで溶接ができ、しかもアークの集中性に優れています。
◆ランタンの4つのメリット
★アークスタートに優れる
★高電流での耐久性に優れる
★アーク集中性に優れる
★放射性物質を含まないため安全
高品質な溶接をするには、品質管理が徹底された電極棒を使い、電極棒の研磨角度や面租度を研磨機を使ってきちんと管理することが大切です。
読者の皆さんにタングステン電極棒の研磨角度による違いを体験できるような、サンプルを用意してみたいと考えております。楽しみにしていてくださいね。